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テクノロジー×服は世界を変える? [ファッション情報]

テクノロジー×服は世界を変える?


前回のブログから数ヶ月の内に起きたファッションに関するニュースと言えば、
英ブランドバーバリーが在庫を大量に焼却していたことが発覚した話だろうか。
国内ではZOZOが社名も新たに積極的なメディア活動展開して注目を集めている。

ブランドとしての価値を維持するため、ではないにしても、
古着販売やメルカリのような個人売買のシステムも珍しくなくなった昨今、
服という商品そのものが過剰供給になっているのが現状だ。

その一方で、「服」でありながら別の機能を持つ服が登場している。
例えば服自体が音楽デバイスになったり、ソーラーパネルを組み込んで充電器になったり。
こうした要素は、単なる演出や装飾としての機能で終わるのか。
もしかしたら「身にまとうもの」としての新しい地位を得て、
服という存在自体を変えてしまうかもしれない。


・可視化される「力」
最先端のテクノロジーをファッションに取り入れることを得意とするアンリアレイジ。
2018春夏コレクションでは「POWER」をテーマにしたパフォーマンスを披露している。
「力を見る。誰も見たことのない服の力。力を着る。誰も着たことがない服の力。服に力を」
(デザイナー森永邦彦のメッセージ)

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↑モデルの動きに合わせて服やテープが発光する。
この応力発光素材を用いた繊維は、折り曲げたり引っ掻いたり、力を加えることで発光する。
医療やスポーツ、繊維以外の素材でも注目されている技術だ。
他にも温度変化や音など、
目には見えないもので変化する素材を取り入れたパフォーマンスは近年非常に増えてきている。


・着られるガジェット
Levi'sとグーグルが共同開発したデニム製スマートジャケット
「Levi's Commuter Trucker Jacket with Jacquard」。
タッチ操作の検知が可能な繊維「Jacquard Threads」を編み込んだ布と
無線通信などの機能を搭載するタグを組み合わせることで、
電話やナビ、オーディオプレーヤの操作が服でできるようになる。
(タグにはバイブレーション機能も搭載)

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↑袖口に取り付けたタグでスマートフォントと連携させられる


これはほんの一例、
IoT(モノのインターネット)の応用としてスマホにつなげるようにしたに過ぎない。
もっと着るという機能に焦点を当てた、
衣料と情報技術(IT)を融合させるスマート衣料と呼ばれる取り組みは
今最も注目されている分野のひとつだ。
特に生体情報(心拍数や体温、消費カロリー、心電図、姿勢、位置など)を収集できる衣料は、
スポーツ用途や従業員の健康管理、医療分野、介護分野などにおいて
幅広い実用化が期待されている。(ZOZOスーツもこのひとつ)


・ソーラーパネルがTシャツに
一方で課題になっているのが電源の確保だ。
その解決策として、発電ができる繊維が日本でも海外でも競うように開発されている。

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↑福井県工業技術センターがアシックスと共同開発したシューズ。
夜間や災害時にも活躍しそうなつま先が光る仕組み。

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↑左、中央はアメリカのファッションブランド「TOMMY HILFIGER」の太陽電池付きジャケット。
背中にソーラーパネル、ポケットにはUSBケーブルが付いていて充電可能。

右はデザイナーのPauline van Dongen氏と、
テクノロジー会社のHolst Centre及びTNO社との共同開発商品。
柄に見えるパネル部分は防水加工されており、通常のTシャツと同様に洗濯もできる。



最新技術は開発されてからが始まりだ。
どの分野に、どんな目的で利用できるのかを考えるのは開発者だけではない。
柔軟な発想であらゆる分野からアイデアを取り入れて表現するファッションは
ただの娯楽ではない、世の中の新しい動きを映し出し、
私たちに身近な形で提供してくれる鏡でもあるのだ。

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